多くの科学者やSFファンが夢見た「タイムマシン」について、その実現の可能性と具体的な作り方を検討した1冊だ。著者のポール・デイヴィスは著名な宇宙物理学者で、これまでに20冊以上の科学書を執筆している。 本書の前半で著者は、アインシュタインの特殊相対性理論や一般相対性理論、カール・シュヴァルツシルトのブラックホールに対する見解、ホーキングの理論など、物理学の巨人たちのさまざまな理論を検証しながら「タイムトラベル」に関する自らの見解と課題となる点を述べている。決して易しくはないが、読者の知的好奇心を大いに刺激してくれる論考である。 第3章から展開される具体的なタイムマシンの作り方は、さらに興味深い。ここでは、タイムトラベルを実現させる際のさまざまな問題点や矛盾点を鋭くえぐり出しており、具体的にどんな装置が必要なのか、起こりうる問題は何なのかを明らかにしてくれる。 最終的に読者は、タイムトラベルの難しさを改めて実感し、がっかりするかもしれない。だが、古今東西の巨人たちが取り組んできた時間と空間の謎に迫ることができるだけでも、本書を読む価値は十分にある。(土井英司)
タイムマシンはあったほうがいいのかな?
タイムマシン……。いろいろなお話・映画などでもおなじみですが、人間がなしえていない代表的なものだと思います。
まずは、アインシュタイン博士の相対性理論、ワームホールでタイムマシン可能……と、いろいろな実際のタイムマシンの可能性を真剣に書いている本です。
人間が、光速に到達・超越できる日は来るのでしょうか?
来たら来たで、怖い気もします。
わたしが読んだ物理学書では、これが初めてですが、おもしろい本です。
ほんとに
作れるらしいんです、あれ。
1.まず、衝突器で10兆度の高温を作り、2.圧縮器で高温の塊を圧縮して、3.膨張器で負のエネルギーを注入し、4.差分器(入り口と出口をくっつける装置)で時間差を作る、そうです。仕上げは塩コショウとバルサミコ酢を少々。
作りたいとも思わないし、使いたいとも思わないし、むしろない方がいいと思うけど、こういうこと考える人はいた方がいいな。この本でちょっとトラベルできる。
松本匡もたぶんビックリ。
いまの物理学の知識をつなぎ合わせれば、時間旅行は理論的にはどうにかなるみたいだ。アマチュアのタイムマシン愛好家には至れり尽くせりの一冊。 どちらかといったら、未来へ行くほうが簡単のよう。「移動速度が上がると時の流れが遅くなる」という特殊相対性理論をそのまま当てはめればよい。仮に光の速さとひけをとらないくらいの速い乗り物に乗っていれば、自分の身は1年しか経ってないのに、世界は2年が経っていた、なんてことも不可能じゃない。 一方の、過去へ行くほう。これはとても難しい。かの「ひも理論」を使うなど、いくつかアイディアがあるようだが、この本で語られているのは「ワームホール」を利用したものだ。 ワームホールとは、ブラックホールの特異点をつなぎ合わせたようなもの。そこをむりやり通って、地球の近所から宇宙の別の場所へ光より速くたどりつき、またすぐに地球に戻ってくれば(今度はワームホールを通らないで)、過去の地球に行くことができる(らしい)。 親切にも、この本にはワームホールをつくるにはどうしたらよいかまで書かれている。@衝突器で10兆度の高温を作る。A圧縮機で高温の固まりを圧縮する。B膨張器で負のエネルギーを注入する。C差分器で時間差を作る。よし、これで完了! ……!? 詳しくは本に譲ります。 タイムマシンにまつわるパラドックスや懐疑論へのフォローもされている。例えば「いまの世の中に未来からの使者の痕跡がないのは、未来永劫タイムマシンなんてできないという証しではないか」という話はよく聞かれるが、ご安心。「タイムマシンが過去に戻れるのは、タイムマシンが完成された時以降の過去に限る」という理由で一蹴されるから。恐竜時代とか地球誕生のころとかに戻る路を断たれるのは残念だけど。
タイムマシンに夢と可能性を
僕は科学が大好きで中学生の時は外国人作家のSF小説やアインシュタイン、ニュートンをよく読んでいました。でも、高校に入学し、物理Tを習った時、今までの壮大な宇宙や時空、次元の物理が小球の落下や摩擦力といった低次元な物になり失望し、それ以来物理が嫌いになっていました。 しかし、この本はそんな僕の満たされない物理の心を満たすのに十分な一冊でした。決して不可能な事などないのです!!という中学生の時の科学の心を取り戻してくれました。 この本では1からタイムマシンを作り、読んでいくにつれて僕の中でどんどん作られていき楽しみや驚きがなんともいえない喜びを与えてくれました。そして、読み終えたときにはタイムマシンをつくる事ができる可能性があることに感動に近いものを感じました。
あくまでも理論上の話
論理物理学者が本気でタイムマシンが製造可能かを調べ、それを綴っている。 誰もが考えるであろう、巨大重力場や亜光速移動によるタイムトリップの可能性、ブラックホールの特異点を利用した方法など、あらゆる方法が記載されている。 なかでも、ワームホールを使用した例が最も可能性が大きいとされているが、読めば読むほど現実離れした装置を作らなくてはならない。 どれも天文学的な質量や超ミクロな世界の話など現実味を帯びない。 それだけにタイムトリップの難易さが詳細に示されていた。 結果的に、今でも実は時間を逆行することをこの宇宙法則があらゆる方法で禁止しているという説もあるという説明もあった。 最も興味があったのはバック・トゥ・ザ・フューチャーに代表される過去へのタイムトリップによるパラドックス。これが起こりえないこと、また何故現在に数世紀先からのタイムトリッパーが訪れないのか・・・これも深く語られている。 とりわけ、ワームホールが数百万光年先を一瞬でつなぐトンネルとして完成したとしても、ワームホールを行き来することで未来・過去の進行は相殺され、タイムパラドックスが発生しないという説明には納得できた。 雑学として読むにはなかなか面白い本でもあるが、どれだけタイムトリップが可能であるかを期待して読むと、失望してしまうかもしれない。
草思社
時間旅行者のための基礎知識 タイムマシン論―最先端物理学によるタイムトラベル入門 時間について―アインシュタインが残した謎とパラドックス タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち 図解雑学 タイムマシン (図解雑学シリーズ)
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