似せ者 (講談社文庫) [歴史(日本史世界史)]

似せ者 (講談社文庫)



似せ者 (講談社文庫)
似せ者 (講談社文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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芸人の心意気、生き様

芸人の心意気、生き様を描いた短編集です。
表題作「似せ者」は、坂田籐十郎亡き後を受けて二代目を名乗り、その「芸」の引き写しに葛藤を抱いて出奔する男を描いています。「芸」は伝統を引き継げばよいのか、革新して新たなものに進歩しなければいけないのか?現代のいろんな場面でも同じようなことがありそうなテーマです。
「狛犬」は、並び立つ二人の役者の話です。一歩前を行っていた筈の男が、いつの間にか追いつかれていたことに気づき困惑します。これ又、現代の競争社会に通じるテーマです。
「鶴亀」は、「芸人」の「芸」に対する心意気を扱っています。「芸」を極めるとはどういう事なのか?「芸」に極限はあるのか?引退を決意した役者の心根の凄まじさを感じさせてくれます。
「心残して」は、明治に変わろうという時に、武士と知り合った三味線弾きから見た「武士」の立前と本音を垣間見せてくれます。「武士」と「芸人」の気持の違いと、一方で「三味線は武士の心もちで弾け」という教えが巧妙に絡み合います。
四編とも、芸人の凄まじさを描きながら、現代における社会人としての気持のあり方に通じる作品となっている秀作です。
いま最もブレイクしてほしい作家

おなじみの歌舞伎を題材にした時代小説短編集。

歌舞伎役者、お仕打ちと呼ばれる興業を取り仕切る者、お囃子方などを
中心に、芸の世界を描いていきます。

ややプロットにもたつきがあり、わかりにくかったり、無駄だったり
するのが残念。すっきりと描けると、松井今朝子はもっとブレイクする
のに、といつも思います。

特に役者が役に心と体が入っていく面持ち、心の変化。それを舞台に
乗せた時の劇場との一体感の描写が秀逸。この役者の精神統一や舞台の
臨場感を描くと、松井今朝子は本当に上手い。

歌舞伎に縁がなくても、読み手の想像力をグイグイと引き出して
いきます。



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