映画『マトリックス』でラリー&アンディ・ウォシャウスキーが作り上げた鮮烈なイメージが、日本のアニメから強いインスピレーションを受けていたことは、今ではとても有名な話だ。いわば「密かな共犯関係」にあったアニメ界のクリエイターたちに対してウォシャウスキー兄弟がもたらしたのは、この恩返しとも挑戦とも取れる企画『アニマトリックス』だった。「マトリックス」にまつわるさまざまなエピソードを、ハイクオリティなCGやユニークな技法を駆使して表現した9つのオムニバス短編アニメ集である。9本中7本までが、日本人クリエイターによって監督されている。 映画のファンにとっては、「マトリックス」成立までが描かれる「The Second Renaissance 1&2」や、『マトリックス リローデッド』に直結する「Final Flight of the Osiris」あたりが要注目だろう。そして各々を1つの短編アニメとして見た場合に出色といえるのは、川尻善昭が期待にしっかり応える形でキャッチーな日本情緒をシャープに描き出した「Program」、“ボタンを1つ掛け違えてしまったようなリアリティ”を描かせれば右に出る者はいない森本晃司の「Beyond」、独特の画やけれん味ある展開の中にほろ苦い感傷をほどよく散りばめた渡辺信一郎の「Kid's Story」あたりだろうか。いずれも「表現」と「メッセージ」が絶妙のバランスで提示されており、彼らのクリエイターとしての熟練ぶりがはっきりとわかる。 アニメファンを自認する人々にとって必見なのはもちろんだが、映画『マトリックス』を「カッコイイ」と思った人ならば、ぜひ偏見なく見ていただきたい作品群だ。(安川正吾)
映画とは別物
これは映画の内容に触れるエピソードがあるものの、映画とは別に考えて購入してほしい作品です。マトリックスの世界観をベースにしたもう一つの物語と考えて購入してほしく思います。川尻善昭など映像を手がける上でトップクラスの監督が各々ショートストーリーで手がけており、どの作品も違った面白さで楽しませてくれます。映像、内容ともに値段のわりにとんでもなくトップクラスなのでお勧めです。あと注意が必要なことはかなりエグイシーンがあります。
メイドインジャパンを英訳→和訳したら別なものになってしまった例。
マトリックスの補完エピソード、外伝など全部で9つの作品からなる短編集です。 9編合計で101minとなっており、ひとつの作品はおよそ10分程度です。 全篇でCGを随所に用い、非常に美麗な画面であることは特筆すべき点でしょう。マトリックスという作品はGHOST IN THE SHELL(攻殻機動隊、1995)という 日本のアニメに啓発されて作られたということはよく知られています。 (ちなみに続編がイノセンスになります。) つまり、本作「アニマトリックス」は日本のアニメに啓発された映画を さらにアニメ化するといういわば「逆輸入」の方式をとっているわけですね。 1のファイナルフライト〜はフルCGで実写と見紛うほどのクオリティ。 リローデッドの序章的内容となっています。 2、3のセカンドルネサンス〜はマトリックス成立までのエピソード"0"と なっており、手塚治虫の"火の鳥未来編"のようなテイストです。 これら1〜3についてはマトリックスの世界観の把握が実に容易。 マトリックスシリーズファンにとって一見の価値があるでしょう。 さて、評価が難しいのは4以降の作品です。 脚本は日本人の手によるものですが、「オレ的オマージュ」が加えられています。 残念ながらその”オマージュ”がマトリックスファンのほうを向いていない。 映像面で力を入れたということはよく伝わってきますが、 表層部分だけしかなぞっておらず、結果として哲学性が 抜け落ちてしまい冗長な印象しか残りませんでした。 結論として、9タイトル中1〜3はマトリックスファン向け、 4以降は攻殻機動隊やイノセンスなどの世界観に興味を持った方が 「逆輸入」のクオリティを冷ややかに楽しむ、という位置づけになるでしょうか。 人を選ぶ作品のため評価は☆3つにしました。
MATRIXエピソード1とも言える!その他のストーリーも特筆
インターネット公式サイトでも一部公開されているこの作品。 マトリックスのファンなら、人類がマトリックスに組み込まれてしまう までの経緯を描いたマトリックスEpisode1とも言える 「The Second Renaissance 1&2」は絶対見ておくべきだろう。 他にも「Final Flight of the Osiris」は、途中まで実写かと思って見ていたが、 実はフルCG映像で、そのリアル感には非常に驚嘆させられる。 また「Program」は、日本の戦国時代がバーチャル世界として登場しており まさにアメリカのMATRIXと日本が融合した作品となっている。 (矢が大量に降ってくるシーンはHeroでも似たシーンがあるが Heroはこの作品を参考にしている気もする。) 「Matriculated」は機械と人間の相互理解、融合がテーマで マトリックス・レボリューションズにもつながってくる。 どの作品もマトリックスの世界観を様々な手法で描いており マトリックス好きなら一度は見ておいた方が良い作品だ。
本編越え
主に日本のアニメクリエイターによる作品群で、『マトリックス』の世界に関連付けられた内容となっております。 押井監督の『攻殻機動隊』に影響を受けたウォシャウスキー兄弟。 その彼らが新しい表現手法を用いて世界に衝撃を与えた『マトリックス』。 そのサイドストーリーに位置づけられる『アニマトリックス』。 しかしその内容は表現力、発想力ともにマトリックスに引けを取らず。 それどころかはっきり言って本編よりとんがった出来です!日本アニメの底力を感じる作品。 中でも森本晃司監督によるBeyondは個人的にかなりオススメです。 マトリックスを見ていなければ理解できませんが、本編に何らかの 感動を覚えた人はぜひ見てほしいです。 アニメ好きであればこれ一本でも十分楽しめるでしょうが。
少々「オタク」向け
マトリックスの監督が日本のアニメに影響されて映画「マトリックス」を製作した。 という話はあまりにも有名。(作品名を言えば「攻殻機動隊」) すなわち、この監督たち(兄弟)はいわゆる「オタク」なんである。 で、この「アニマトリックス」だが日本のアニメクリエイターが数人参加している。 「カウボーイビバップ」、「マクロスプラス」の渡辺信一郎。 「青の6号」監督、平成ガメラ3部作のデザインの前田真宏 。 普通、監督名を出されて「ああ、あの人」と思うのは「オタク」の人々であろう。 内容も「オタク」向けである。オムニバスストーリーが数本あるが、 どれもマトリックスの外伝なのでこの作品だけで楽しめる。という訳ではない。 (作品の中には完璧に本編と繋がってるものもある) メイキング映像も多くあるが、そういうのを観る人も「オタク」。 マトリックス好きな人は楽しめるだろう。日本のアニメについて詳しい人はより楽しめるだろう。 そんな作品。 なお、この作品には暴力描写があるが最近の規制のかかりすぎたテレビアニメーションに退屈な人は少々良い刺激になるのではないか。
ワーナー・ホーム・ビデオ
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